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AI研修の効果は、満足度アンケートでは測れません

受講前・7日後・30日後の3回、同じ設問で毎週の作業時間を測り、受講前との差を見る進め方を表した図

AI 研修の効果を知りたいとき、多くの会社が研修の最後に満足度アンケートを配ります。 しかし満足度からは、翌月に仕事が速くなったかどうかは分かりません。 分かるようにするには、研修の前に1つだけ数字を取っておく必要があります。

研修の効果は、どう測ればいいのか

答えを先に書きます。やることは3つです。

  • 受講前に、毎週やっている作業に何分かかっているかを聞く。1人ずつ、作業を1つに絞って聞きます
  • 7日後と30日後に、まったく同じ設問をもう一度送る。文言は1文字も変えません
  • 受講前の数字から引き算する。「週に何分減ったか」が、その人にとっての研修の効果です

特別な道具は要りません。アンケートフォームが1つあれば始められます。 難しいのは道具ではなく、受講前に聞き忘れないことです。 研修が終わってから「以前は何分かかっていましたか」と聞いても、正確な答えは返ってきません。

満足度アンケートで分かること、分からないこと

研修の効果測定には、反応・学習・行動・成果の4段階で捉える考え方(カークパトリックモデル)がよく使われます。 研修直後の満足度アンケートは、このうち最初の「反応」にあたります。

  • 分かること:説明が分かりやすかったか、時間配分は適切だったか。研修そのものの改善には役立ちます
  • 分からないこと:職場に戻ってから使ったか、仕事が速くなったか。経営として知りたいのは、こちらです

AI の研修は、とくにこの差が大きく出ます。当日は講師の画面を見て「便利だ」と感じても、 自分の業務で最初の1回を試す前に、日常の仕事に押し流されてしまうことが多いからです。 満足度が高いことと、翌月も使っていることは別の話です。

受講前に聞くのは、4つだけ

受講前のアンケートでは、次の4つを1人ずつ聞きます。

  • 毎週やっている作業を1つ。議事録、日報、提案書のたたき台、問い合わせへの返信など
  • その作業が週に何回あるか。
  • 1回に何分かかっているか。
  • どこで時間を取られているか。書き出しで止まるのか、確認と修正に時間がかかるのか

2つ目と3つ目を掛けると「週に何分」が出ます。たとえば週3回・1回45分なら、週135分です。 この数字が、あとで引き算するための基準線になります。 4つ目は数字ではありませんが、研修で何を重点的に扱うかを決める材料になります。

会社としての数字だけでは足りない点に注意してください。窓口の方が「議事録は1件30分」と答えても、 現場では20分の人と60分の人がいることがあります。 研修の効果は個人ごとにしか出ないので、数字も個人ごとに取ります。

逆に、売上規模や役職の詳細は聞きません。設問が増えるほど、肝心の4問の答えが雑になるからです。

7日後と30日後に、同じ設問を送る

研修のあと、受講前の4問をもう一度送ります。7日後と30日後の2回です。 このとき「実際に試したか」「試せなかったなら、何が障害だったか」の2問だけを足します。

ここで設問を作り替えないことが、いちばん大切です。 途中で「もっと良い聞き方」を思いついても、文言は変えません。 同じ設問で取った数字どうしでなければ、引き算ができないからです。

7日後は「最初の1回を試せたか」を、30日後は「続いているか」を見ます。 最初の1回を試せていない人には、その時点で個別に声をかけられます。 障害として挙がった内容が、次回の研修で扱うべき中身です。

答えが戻ってこなかった人も、数に入れる

研修から日が経つほど、アンケートの回答率は下がります。30日後には、戻ってこない人がかなり出ると考えておくべきです。

このとき、回答した人だけを見て「7割が使い続けている」と読んではいけません。 使い続けている人ほど答えてくれる傾向があるため、回答者だけの数字は実態より良く見えがちです。 戻ってこなかった人こそ、続かなかった人である可能性が高いのです。 割合を出すときは、分母を受講者全員にします。

AI 研修を選ぶとき、確認したい3つの問い

研修会社を比べるとき、費用やカリキュラムと並べて、次の3つを聞いてみてください。

  • 受講前に、参加者に何を聞きますか。何も聞かない研修では、効果を後から測る手段がありません
  • 研修が終わったあと、いつ、何を測りますか。当日の満足度アンケートだけなら、測っているのは「反応」までです
  • 回答しなかった人は、どう数えますか。この問いに答えられるかどうかで、報告される数字をどこまで信用してよいかが分かります

3つとも具体的に答えが返ってくるなら、研修が終わったあとの結果にまで責任を持つつもりの会社です。

測ると、次にやることが決まる

以前の記事「AI導入の最初の1か月にやることは、1つだけです」で、 「何時間浮いたか」は測りにくいと書きました。もともと何時間かかっていたかを、誰も記録していないからです。 裏を返せば、始める前に記録しておけば測れます。

数字が出ると、「続ける作業」「やり方を変える作業」「やめる作業」を分けられます。 研修は1回で終わるものではなく、次に何をやるかを決めるための起点になります。

当方が研修や伴走支援をお引き受けするときは、この受講前・7日後・30日後の3回の測定を、最初から組み込むことにしています。 どの作業を対象にするかの選び方から、AI 導入支援で一緒に進めます。 ご相談は無料です。

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