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英語サイトを作ったのに、海外から問い合わせが来ない理由

見つけてもらう・分かってもらう・連絡してもらうの3段を左から右へ並べ、段ごとに訪問者が減り、2段目から3段目の継ぎ目で止まっている様子を表した図

英語サイトを公開したのに、海外から問い合わせが来ない。そのとき多くの方は、まず英語の出来を疑います。 しかし原因の多くは、英語の質ではなく「どの段で止まっているか」にあります。 この記事では、止まっている段の見分け方と、最初に確かめる5つのことをまとめます。

英語サイトから問い合わせが来ないのは、なぜですか

答えを先に書きます。問い合わせが来るまでには3つの段があり、そのどこかで止まっています。

  • 見つけてもらう段:海外の人が実際に使う検索語で、ページが作られていない。言語版どうしの対応が、検索エンジンに伝わっていない
  • 分かってもらう段:日本語ページを訳しただけで、「誰の、どんな課題を、どう解決するのか」が最初に書かれていない
  • 連絡してもらう段:問い合わせフォームや返事の約束が、海外の人に合わせて作られていない

どの段で止まっているかは、Google Search Console(検索での表示を調べる無料の道具)とアクセス解析で切り分けられます。 検索結果に表示されていなければ1段目、表示されているのに読まれていなければ検索語とのずれ、 読まれているのに連絡が来なければ2段目か3段目です。 直す場所が段ごとに違うので、先に切り分けると、ページ全体を作り直さずに済みます。

Google に表示されているのに、選ばれないことがあります

当社も2026年9月に、海外企業の日本進出を支援する英語版のページを公開しました。 公開から1か月ほどたったころ、Search Console で英語版がどんな検索に表示されているかを確かめました。

英語版は、海外の検索結果にも表示されていました。ところが、表示された検索語を並べてみると、 その多くは「Japan SEO company」のような、日本で SEO を頼める会社を探している人の言葉でした。 社名に「SEO」という語が含まれていることも関係しています。 一方で、英語版のページは日本進出の支援を中心に書いていて、こうした人の疑問に答えるページがありませんでした。 表示はされても、検索した人に合うページが無ければ、選ばれません。

ここから分かるのは、表示回数だけを見て安心してはいけないということです。 確かめるべきは「何回表示されたか」より「どんな言葉で、どの国で表示されたか」です。 社名や製品名が、一般的な言葉と重なっている会社ほど、このずれが起きやすくなります。 ずれが見つかったら、表示された言葉に答えるページを用意するか、狙う言葉に合わせてページを書き直します。

確かめ方は簡単です。Search Console の「検索パフォーマンス」で、ページを英語版の URL(たとえば 「/en/」)に絞り込み、 「クエリ」(検索語)と「国」の一覧を見てください。思っていた買い手の言葉が並んでいるかどうかで、1段目の状態が分かります。

日本語ページを翻訳するだけでは、足りないのですか

足りないことが多いです。言葉を置き換えても、読む人が判断に使う材料と、その並べ方は変わらないからです。 日本語版で多い書き方と、英語版で先に置きたいものを並べます。

  • 検索語:日本語の言い方をそのまま訳した言葉 → 現地の買い手が実際に使う言葉を、現地の言葉で調べ直す
  • 書く順番:沿革・理念・ごあいさつから始まる → 最初の画面で「何ができるか」「誰のためか」を言い切る
  • 信頼の材料:日本語版には事例や実績があるのに、英語版に載っていない → 取引実績・事例・認証(ISO など)・輸出や海外への配送に対応できるか・対応できる地域や納期を英語で載せる
  • 窓口:どこが対応するのかが分からない → 日本から直接か、現地の代理店か。何語で、どのくらいで返事をするか

日本語のサイトは、判断材料を1ページに丁寧に詰め込む作りが好まれる傾向があります。 一方、英語圏の買い手は、最初の画面で「自分に関係があるか」を見極め、関係がなければすぐ離れることが多いとされます。 翻訳の質を上げる前に、最初の画面に何を置くかを決めるほうが、効き目は大きくなります。

多言語サイトの SEO で、最初にやるべきことは何ですか

最初に決めるのは、どの国・どの言語の人に向けるかです。それが決まったら、検索エンジンに「これは英語版です」「日本語版と対になっています」と正しく伝えます。

  • 向ける国と言語を先に決める。同じ英語でも、米国と英国では検索に使われる言葉が違います。国によっては Google 以外の検索エンジンが主に使われています。URL の分け方や調べる検索語も、この判断で決まります
  • 言語ごとに URL を分ける。たとえば英語版は 「/en/」 の下に置きます。同じ URL のまま表示だけを切り替えると、検索エンジンは別の言語版として扱えません
  • 日本語版と英語版の対応を hreflang で伝える。日本語版からも英語版からも、互いを指定します。片方向だけでは正しく伝わりません
  • 訪問者の国や言語で、自動的に転送しない。言語を切り替えるリンクを置き、選んでもらいます。自動転送は、検索エンジンが英語版を読めなくなる原因にもなります
  • 全ページを訳さない。対象の国の買い手が判断に使うページ(何ができるか・事例・問い合わせ)から始めます

当社の英語版も、「/en/」 の下に分け、日本語版と英語版の対応を両方向から指定しています。 この設定は一度決めると後から変えにくいので、作り始める前に決めておくのが安全です。

英語の問い合わせフォームで、何を直せばいいですか

3段目で止まっているときは、フォームを自分で使ってみるのがいちばんの近道です。よく見かけるのは次のような点です。

  • 日本向けの項目が残っている。ふりがな、都道府県、日本の電話番号の形式などは、海外の人には書けません
  • 項目が多すぎる。最初は会社名・名前・メールアドレス・内容で足ります。住所のように調べながら書く項目は、後ろに回すか外します
  • 入力の誤りが、送信したあとにまとめて出る。誤りはその場で、英語で知らせます
  • 送ったあと、何が起きるか分からない。英語の自動返信で「受け付けたこと」「何日以内に、何語で返事をするか」を伝えます。時差があるので、返事の目安は特に大切です
  • 個人情報の扱いが英語で書かれていない。英語のプライバシーポリシーを用意し、フォームからリンクします。欧州の人から問い合わせを受ける場合は、EU の個人情報保護の規則(GDPR)に沿った説明や、Cookie の同意が必要になることがあります。対象になるかどうかは、専門家に確認してください

最後に、実際に英語で問い合わせを送り、自動返信が英語で、文字化けせずに届くかを確かめてください。 当社の英語版のフォームも、受け付けると英語の自動返信が届くようにしています。

まず確かめる5つ

英語サイトを作り直す前に、次の5つを順に確かめてください。どこで止まっているかが分かれば、直す場所は小さく済みます。

  1. 英語版が、検索結果に表示されているか。Search Console の表示回数で見ます(1段目)
  2. どんな言葉で、どの国で表示されているか。Search Console の検索語(クエリ)と国で見ます(1段目)
  3. 最初の画面に「何ができるか」が書いてあるか。英語版のトップページを、初めて見る人の目で読みます(2段目)
  4. 事例・実績・対応できる地域が、英語で載っているか。日本語版にあって英語版にないものを洗い出します(2段目)
  5. 英語で問い合わせを送ると、英語の自動返信が届くか。自分で1通送ってみます(3段目)

なお、英語版で Cookie の利用に同意を求めている場合、同意しなかった人はアクセス解析に数えられません。 閲覧数は、実際より少なく出ることを前提に読んでください。当社の英語版もこの形です。

よくある質問

多言語サイトは必要ですか?

海外の取引先や顧客を Web で探すつもりがあるなら必要です。ただし全ページを訳す必要はありません。 対象の国の買い手が判断に使うページ(何ができるか・事例・問い合わせ)から始めれば足ります。

国内の SEO と海外の SEO は、何が違いますか?

考え方は同じです。違うのは3点です。検索語を現地の言葉で調べ直すこと、競う相手が現地の会社になること、 言語版どうしの対応を検索エンジンに伝える設定(hreflang)が要ることです。

英語サイトの効果は、何で測ればいいですか?

問い合わせの件数だけを見ず、検索結果での表示回数、表示された検索語と国、英語版の閲覧数、問い合わせ数を順に見て、どの段で止まっているかを確かめます。

止まっている段が分かれば、次の一手が決まる

英語サイトは、作った時点では入口ができただけです。 見つけてもらう、分かってもらう、連絡してもらう。3つの段のどこで止まっているかを確かめると、次にやることが1つに絞れます。 どの国の、どんな買い手に向けたサイトなのかが決まっていない場合は、 「海外進出、市場を選ぶ前に整理しておく3つの論点」から読んでみてください。

当方では、海外進出支援の中で、市場の選び方から英語版の構成、問い合わせの受け方までを一緒に整理します。 国内の Web からの問い合わせについては「Web からの問い合わせが増えないとき、最初に疑うべき3つの箇所」もあわせてどうぞ。 ご相談は無料です。

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